2007年12月11日

レッド・ツェッペリン:カシミール、そしてジミー・ペイジのオープン・チューニング

Led Zeppelin レッド・ツェッペリンのブートレッグの中で、一番カッコいいナンバーは「ホワイト・サマー」「ブラック・マウンテン・サイド」から「カシミール」に入る演奏だった。特に「カシミール」に入るところは、おお〜っ!てな感じだった。ブートレッグのタイトルははっきりと覚えていないが、これが1977年のUSツアー以降のものであることは間違いない。

ジミー・ペイジオープン・チューニング(変則チューニングともいわれる)をワシが初めて知ったのは「ホワイト・サマー」だったが、このライブによって「カシミール」も「ホワイト・サマー」と同じオープン・チューニングであったことを知った。いわゆる "DADGADチューニング" というやつだ。それでちょっと、ジミー・ペイジのオープン・チューニングについてまとめてみた。

●DADGAD チューニング
ホワイト・サマー、ブラック・マウンテン・サイド、カシミール
●オープンG(DGDGBD)チューニング
ザッツ・ザ・ウェイ、ブラック・カントリー・ウーマン、トラベリング・リバーサイド・ブルース
●DADGBD チューニング
カリフォルニア
●オープンC6(CACGCE)チューニング
フレンズ、ブロン・イ・アー、プア・トム
●オープンC(CGCEGC)チューニング
ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー
●DGCGCD チューニング
レイン・ソング
●CFCFAF チューニング
スノウドニアの小屋
●EACFAC チューニング
レヴィー・ブレイク

ちなみに「カシミール」の歌詞は、ロバート・プラントがモロッコ南部のサハラ砂漠をドライブしていたときに書かれたもので、「見失った故郷を求めての放浪」をテーマにしており、現実のカシミールがイメージの源泉になったわけではない。後に、ロバート・プラントは「カシミール」を "The Pride of Led Zeppelin" (レッド・ツェッペリンの誇り)と呼んでいる。

レッド・ツェッペリン関連記事

#07年12月10日のレッド・ツェッペリン再結成コンサートは、予想どおり大盛況だったようです。レッド・ツェッペリンは今後も活動を継続するような話も出ていますが、さてどうなりますことやら。

 Led Zeppelin : White Summer / Black moutain Side 1
 Led Zeppelin : White Summer / Black moutain Side 2
 Led Zeppelin : Kashmir
 Led Zeppelin : Ten Years Gone

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レッド・ツェッペリン
レッド・ツェッペリン / フィジカル・グラフィティ
レッド・ツェッペリン / マザーシップ(DVD付き)
レッド・ツェッペリン / DVD

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2007年12月09日

レッド・ツェッペリン:イン・スルー・ジ・アウト・ドア

In Through the Out Doorイン・スルー・ジ・アウト・ドアIn Through the Out Door』は、レッド・ツェッペリンのアルバムの中では異色というイメージがある。それは、「サウス・バウンド・サウレス」と「オール・マイ・ラヴ」のコンポーザーにジミー・ペイジの名前がないように、ジョン・ポール・ジョーンズ主導のアルバムだからということがまずある。ロックンロール、サザンブギ、シャッフルビート、サンバ、ロカビリー、テクノ風ダンスナンバー、ラブバラード、スローブルースと、飽きさせないバリエーションは、まさにジョン・ポール・ジョーンズならではだ。渋谷陽一は確か「レッド・ツェッペリン世界の旅」と評していたっけ。

しかし何と言っても『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の異色さは、そのジャケット・デザインだ。レッド・ツェッペリンは3枚ごとに変形ジャケットを出しているが、この『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』は白眉だろう。ジャケット・デザインはかのヒプノシス。ツェッペリンのメンバーもいろいろとアイディアを出しているようだ。「Led Zeppelin In Through The Out Door Revisited」のサイトと、『写楽』81年4月号(小学館)の特集を参考にまとめてみる。

イン・スルー・ジ・アウト・ドア』のジャケットは6種類あり、茶色い紙袋から出すまでどのジャケットかわからない仕組みだった。まずはそのジャケット一覧を(マウスを乗せると説明が見られます。画像のズレはご勘弁を)。

A表:刑事風の男の視点 B表:金髪女の視点 C表:バーテンの視点 D表:黒人女の視点 E表:ピアノ弾きの視点 F表:赤毛の娼婦の視点
A裏:黒人女の視点 B裏:ピアノ弾きの視点 C裏:赤毛の娼婦の視点 D裏:刑事風の男の視点 E裏:金髪女の視点 F裏:バーテンの視点

このジャケットは、中心に帽子をかぶった謎の男がいて、表は謎の男が火をつけた後の光景で一部カラーになっている。裏は謎の男が火をつけようとしている光景で、こちらは全面セピア色だ。つまり、裏から表へと時間は進行している。その舞台は、アメリカ南部の場末のパブといった風情。

そして、その謎の男を取り囲む6人がパブにいる。それは、バーテン、金髪の女、刑事風の男、赤毛の娼婦、ピアノ弾き、黒人の女だ。ジャケットはAからFの6種類だが、この6人の視点で写真は構成されており、いずれも表に写っている人物の視点が裏のジャケットになり、裏に写っている人物の視点が表のジャケットになっている。具体的に言うと、Aの表は刑事風の男の視点、Aの裏は黒人女の視点、Bの表は金髪女の視点、Bの裏はピアノ弾きの視点、Cの表はバーテンの視点、Cの裏は赤毛の娼婦の視点、Dの表は黒人女の視点、Dの裏は刑事風の男の視点、Eの表はピアノ弾きの視点、Eの裏は金髪女の視点、Fの表は赤毛の娼婦の視点、Fの裏はバーテンの視点である。つまり、ADがセット、BEがセット、CFがセットになっているわけだ。そしてAからFを順に見ていくと、刑事風の男→金髪女→バーテン・・・と、時計回りに視点がパブを一周していることに気づく。

結局のところ、1枚のジャケットからすべては見えない。ワシが買ったのはFだったが、そこには刑事風の男、ピアノ弾き、黒人の女の姿がない。6人全員がわかるB-Eのセットだったとしても、今度は紙を燃やしているディテールがぼけてしまう。ネオンサインの「Fully Coots(完全にバカども)」が、ワシらの愚かな視野を象徴しているのかもしれない。ワシらが認識しているのは、所詮は世界の6分の1でしかないのだ。

Led Zeppelin出口から入ることほど難しいことはなさそうだ」というコメントが、『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』にはあったという。一つの視点に縛られずに、出口から入って新たな視点を獲得したならば、きっとまた別のものが見えてくるに違いない。

最後に、灰皿のイラストがついた『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の内ジャケットは、水を垂らすと色が出てくる仕掛けがあったようだが、水でぐちゃぐちゃになるのが怖くて、結局試すことなく終わってしまった。どんな色が出たのだろうか。。。

 Led Zeppelin : Kashmir
 Led Zeppelin : Ten Years Gone
 Led Zeppelin : Achilles Last Stand
 Led Zeppelin : Nobody Fault But Mine
 Led Zeppelin : In the Evening
 Led Zeppelin : Hot Dog

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レッド・ツェッペリン
レッド・ツェッペリン / イン・スルー・ジ・アウト・ドア
レッド・ツェッペリン / マザーシップ(DVD付き)
レッド・ツェッペリン / DVD


posted by 上村龍司 at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ハードロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

指骨折のジミー・ペイジ、再結成ライブについて語る

レッド・ツェッペリンの再結成ライブのことを書いたので、今回はその続報(ちょっと遅れたが)。ジミー・ペイジが指の骨折について語っています。YouTubeの動画は前回と同じで勘弁を。

 Led Zeppelin : Communication Breakdown
 Led Zeppelin : Whole Lotta Love
 Led Zeppelin : Immigrant Song
 Led Zeppelin : Black Dog

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2007年11月03日

レッド・ツェッペリンの再結成ライブ、ジミー・ペイジの骨折により延期

Led Zeppelin 今月11月26日に予定されていた一夜限りのレッド・ツェッペリンの再結成ライブが、ジミー・ペイジの指の骨折により、12月10日に延期になったそうです。

 ジミー・ペイジが指を骨折、レッド・ツェッペリン再結成ライブが延期に

このライブを巡っては、2万枚のチケットに対し100万人のファンが殺到するなど、ツェッペリン人気はいまだすさまじいものがあります。チケットを手に入れるために、ファンがアホなことをしたりもしていたようです。

 レッド・ツェッペリンのチケット獲得のため、ファンがアホなアピール!

さすがにワシもこのライブは気になるところです。一番気になるのは、テレビで放送されるのかというところ。あれこれ考えてもしょうがないので、取りあえずブログパーツなんかを貼ってみました。この記事のブログパーツとサイドバーのものとは曲が違います、一応。

 Led Zeppelin : Communication Breakdown
 Led Zeppelin : Whole Lotta Love
 Led Zeppelin : Immigrant Song
 Led Zeppelin : Black Dog

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2007年10月19日

レッド・ツェッペリン:In the Light

Physical Graffiti 「ちっ、ドジ踏んだぜ・・」

肘と膝にできたすり傷を見ながら、そう思った。ここはエジプトのルクソール。ナイル川西岸の遺跡巡りで、ワシは自転車をこいでいた。

ナイル川西岸の遺跡巡りは、自転車がお手頃。なんせ広い地域を巡るには、ろくに車などないわけなので、自転車が速くて快適なのだ。実際手際よく、メムノンの巨像、メディネト・ハブ、ラムセウム、ハトシェプスト女王葬祭殿と見て、到着したのがセティ1世葬祭殿。そこで瓦礫の山に乗り上げ、こけてしまった結果が肘と膝の傷だった。そのひりひりした痛みに、ハトシェプスト女王葬祭殿の美しい印象がぼやけていった。

ハトシェプスト女王葬祭殿 しかし、ルクソールの青い空が、そんなブルーな気分を吹き飛ばしていった。ルクソールの空は濃い深みのある美しい青。そんな空を見上げながら、気を取り直して、ワシは王家の谷に向けて自転車をこぎ始めた。

王家の谷へは、左回りのゆったりとしたカーブを描く上り坂の道。からっと乾燥した空気が汗を吹き飛ばして、快適な気分に変えていく。限りなく青い空、強い日射し・・・そんなとき頭の中に聞こえてきたのが、レッド・ツェッペリンの「In the Light」。

 ♪「In the Light」を聴いてみる。

「In the Morning」という似たスタイルのリハーサル・ナンバーから発展したこの曲。ギターのオーバーダビングとキーボードの重厚なアレンジによって、ドラマティックに仕上がっている。ジミー・ペイジはこの曲を、「フィジカル・グラフィティ」の中で一番好きなナンバーとしているそうだ。

・・・そそり立つ岩山から覗く青い空に、輝く太陽。赤茶けた岩山と青い空のコントラストを色濃くする光。王家の谷に至る道は、まさに「In the Light」にぴったりの光景が続く。この道が探し求めていた道なのか・・・ロバート・プラントのポジティブな歌声が頭の中にこだまする。カノン的に増幅するジミー・ペイジのギターは、まさに降り注ぐ光のシャワーだ。

 光の中に
 みんな光を求めてる
 光、光、光、光の中に……

 Led Zeppelin : In The Light (In The Morning)
 Led Zeppelin : In the Light (Alternate version)
 Led Zeppelin : In My Time Of Dying
 Led Zeppelin : Trampled Under Foot
 Led Zeppelin : Trampled Under Foot (promo)

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レッド・ツェッペリン ※画像をクリック
レッド・ツェッペリン Led Zeppelin / Physical Graffiti
レッド・ツェッペリン Led Zeppelin / Led Zeppein (4CD Box)
LED ZEPPELIN DVD

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2007年08月02日

レッド・ツェッペリン:天国への階段

Led Zeppelin IVワシが高校のとき一番多く聴いたのは、レッド・ツェッペリンの「天国への階段Stairway To Heaven)」、大学のとき一番多く聴いたのは、ジェネシスの「サパーズ・レディ」だった。この2曲がロックの名曲であることは間違いないが、この2曲について何か書いてみようと思うのだ。まずは「天国への階段」である。

「天国への階段」については、ウィキペディアの記事「天国への階段(楽曲)」と、『レッド・ツェッペリン――天国への階段』(シンコー・ミュージック)、『ストレンジ・デイズ No.65』、『アエラ・ロック・ハード』を参考にして、我龍でまとめてみたい。



天国への階段」が入っているレッド・ツェッペリンの4枚目のアルバムは、ジャケットにタイトルもグループ名も何の文字もないが、これは「純粋に音楽だけで勝負したい」という彼らの熱意を表している。内袋に印刷された4つのシンボル・マークが謎かけとしてとらえられ、このアルバムは「ルーン・アルバム」、「ZOSOアルバム」、または「レッド・ツェッペリンW」、「ステアウェイ・アルバム」などと呼ばれたが、メンバーの間では「フォー・シンボルズ」と呼ばれていた。

ロバート・プラントのシンボルは、自らがデザインしたもので、ムー大陸の神聖なシンボルから描き出したもの。インディアンの間では羽毛を勇気の象徴としている部族も多いという。ジョン・ボーナムのシンボルは、古代ルーン文字の書物から選んだもので、三つの輪は「男・女・子供」を指し、三位一体を連想させる。ジョン・ポール・ジョーンズのシンボルも、古代ルーン文字の書物から選んだもので、自信に満ちた有能な人物を表す。ジミー・ペイジのシンボルは、自らがデザインしたもので、それが“ZOSO”という単語だと受け取られたが、実際は別物のつもりだった。そして、こうしたタイトル云々といったものがマスコミを混乱させる作戦の一つにすぎなかったと明かしている。

表ジャケットに使われた老人の絵画はプラントが手に入れてきたもの。その絵画が廃墟の壁に掛けられ、裏ジャケットではその廃墟の壁の向こうに、取り壊されるばかりとなった公営住宅とそびえ立つ高層建築といった再開発中の街が描かれる。これは、自然と調和した状態にある薪を背負った老人が、山小屋を撤去され、都会のスラムに無理矢理住まわされてしまう様を表すという。内ジャケットには、岩山の上に立つ隠者とそれを仰ぎ見る若者が描かれる。タロットカードで隠者は“一歩退いたり、熟考したりすることなく、現行の道をそのまま進むことへの特別な警告”とされ、その隠者が“真実と啓示の光”を、ふもとにいる若者にかざしている。内袋には、4つのシンボルと曲名、そして「天国への階段」の歌詞が記されている。



フォー・シンボルズ』は、1971年の初め、ハンプシャーの田園地帯にある邸宅ヘッドリィ・グランジに、ローリング・ストーンズ所有の移動スタジオを持ち込んで録音された。プレッシャーのかかるスタジオとは異なった、リラックスした最高のムードで作られていったという。

「天国への階段」の最初のパートは、1970年にウェールズのスノウドニアの小屋、ブロン・イ・アーで過ごしたある晩に浮かんできたという。そしてこのヘッドリィで構想を練り上げるが、曲作りにはかなり時間がかかった。途中からテンポが加速するといったことは、当時のレコーディングではめったになく、当時としてはかなり複雑な曲だった。曲の後半からボンゾのパワフルなドラムを入れることで、高揚感を倍増させるが、ペイジは、音楽的なあらゆる要素を融合させつつ、全体としては何かとても親密なものから壮大なものへとクレッシェンドしていく感覚を表現したかったと言う。



プラントは暖炉の前でペイジが弾くコードを聞き、急に手が動いて歌詞を書き始める。ちょうどいい時にそこへ腰を下ろしたといった絶好の瞬間だったという。不自然なくらい何の苦もなく歌詞は完成したが、まさにその時期に生まれるべくして生まれた曲だったのだろう。

この歌詞は、当時プラントが読んでいたルイス・スペンスの『The Magic Arts in Celtic Britain』からインスピレーションを得ていて、この本から借りた語句が散見する。ケルトの吟遊詩人たちが、導入部分で楽器を静かに弾きながら、英雄たちのプロフィールを紹介し、だんだんと物語を盛り上げていくように、ロバート・プラントはケルト神秘主義の彼方から現れたのかもしれない。



「天国への階段」のステージでの演奏は、『フォー・シンボルズ』の発売より早く、71年3月5日にベルファストのアルスター・ホールで行われている。また、71年9月の日本公演でも披露されている。71年11月8日のアルバム発売後は、LAフォーラムが初演となったが、そこでは大勢の観客が立ち上がって拍手喝采したという。

「天国への階段」は、ロック界以外の音楽業界からも評価が高く、クラシック界の巨匠カラヤンは「私がオーケストラで演奏するとしても、これ以上のアレンジを必要としない名曲」と絶賛している。

 Led Zeppelin : Stairway To Heaven(DVD version)
 Led Zeppelin : Stairway To Heaven(The Song Remains The Same version)
 Led Zeppelin : Stairway To Heaven(Live Aid version)

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Led Zeppelin:Stairway To Heaven ※画像をクリック
レッド・ツェッペリン / Led Zeppelin IV [Remastered]
レッド・ツェッペリン Led Zeppelin / Led Zeppein (4CD Box)
LED ZEPPELIN DVD
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