その日はわくわくして帰ったことを覚えている。イエスの『危機(Close to the Edge)』を買った日のことだ。
初めて聴いたイエスのアルバムは『こわれもの(Fragile)』。これでイエスが好きになっていたし、『Close to the Edge』はイエスの最高傑作と言われていたので、もうその期待感たるや相当なものだった。結局のところ、この『Close to the Edge』は、ワシが高校時代に一番聴いたアルバムとなる。ちなみに、大学時代に一番聴いたアルバムは、ジェネシスの『眩惑のブロードウェイ(The Lamb Lies Down On Broadway)』だ。
さて、イエスと言えば外せないのが、ロジャー・ディーンのイラストだ。この『Close to the Edge』もジャケットを開けると、まずそのイラストに引きつけられた。そのイラストを見ながら「Close to the Edge」を聴いていると、イメージがどんどん広がっていく。これには正直驚いた。
このイラストは、孤立した岩?島?湖?から滝が四方に落ちていくが、まさに「Close to the Edge」を表現しているのだろう。「Close to the Edge」は「危機」なんて訳されているが、本当は「まさに崖っぷち!」って感じだろう。孤立した高台、そこに至る小径、永遠と流れ落ちる滝、わき起こる水煙が雲となって漂う・・・それは、イエスの楽曲と見事なハーモニーを奏でるファンタジーだ。
B面の「同志(And You And I)」と「シベリアン・カトゥール(Siberian Khatru)」も素晴らしかった。イエスの持っている広がりが3曲とも十二分に発揮されていると感じる。「And You And I」は、76年6月20日にNHKの「ヤング・ミュージック・ショー」で放送された演奏が印象深い。「シベリアン・カトゥール」は何と言っても「イエスソングス」でのヴァージョンだ。「Close to the Edge」も含め、イエスのライブ・パフォーマンスは半端ではなかった。
こうしてワシはイエスにハマっていった。やがてそこに陥穽が待ちかまえているとは、そのときには想像だにできなかったのだが・・・
Yes : Close to the Edge 1
Yes : Close to the Edge 2
Yes : And You And I
Yes : Siberian Khatru
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