2008年03月28日

マイケル・ジャクソンとアル・ヤンコビックを同時に観てみたい!

Michael Jackson:Thrillerマイケル・ジャクソンMichael Jacksonのビデオクリップといったら、やはり「スリラーThriller」なんだろうが、ワシとしては「今夜はビート・イットBeat It」なのだ。何でだろうと考えたところ、どうも原因はウィアード・アル・ヤンコビック"Weird Al" Yankovicの「今夜もイート・イットEat It」らしいのだ。確かに「今夜もイート・イット」は、MTV史上に残る傑作パロディだ。

てなことで、マイケル・ジャクソンアル・ヤンコビックを並べて観てみたいというのが、今回の企画。2曲同時にかけてみるのも、なかなか乙なものだ。。。
 ※埋め込みがうまく再生できないときは、曲名のリンクからどうぞ。

Michael Jackson : Beat It

"Weird Al" Yankovic : Eat It

 Michael Jackson : Thriller
 Michael Jackson : Billie Jean
 "Weird Al" Yankovic : 今夜も EAT IT(オレたちひょうきん族 ver.)
 "Weird Al" Yankovic : Like A Surgeon
 "Weird Al" Yankovic : Fat
 "Weird Al" Yankovic : My Bologna
 "Weird Al" Yankovic : Another One Rides the Bus
 "Weird Al" Yankovic : Pacman

banner_03

マイケル・ジャクソンとアル・ヤンコビック
マイケル・ジャクソン / スリラー25周年記念リミテッド・エディション
エッセンシャル・マイケル・ジャクソン
ウィアード・アル・ヤンコビック / Greatest Hits

posted by 上村龍司 at 18:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月22日

ニック・カーショウ:ザ・リドル

Nik Kershaw : The Riddle ニック・カーショウNik Kershawの「ザ・リドルThe Riddle」は、メロディやビデオクリップは覚えているが、歌手名が思い浮かばないという、まさに“謎”の曲だ。「リドル・・・あったなあ。こういうメロディで、こういうPVで・・・あれ、歌ってたのだれだっけ?」てな感じ。

ニック・カーショウは、1983年にシングル「アイ・ウォント・レット・ザ・サン・ゴー・ダウン」でデビュー。その後、「恋はせつなく(Wouldn't It Be Good)」「ダンシング・ガールズ」「ヒューマン・レーシング」「ザ・リドル」「ワイド・ボーイ」「ドン・キホーテ」と、ヒット曲を連発。ハワード・ジョーンズポール・ヤングとともに、80年代ブリティッシュ・ポップ若手御三家として、ポップ・アイドルとして扱われる。しかし、アイドル人気に疲れ果てたニックは、アイドル・イメージからの脱皮を計ろうと試行錯誤し、ヒット曲からは見放されていく。

1984年の「ザ・リドル」は、何でもアルバム・リリース直前になって、レコード会社側からシングルになるような曲がないと言われ、その場で適当にすぐ書き上げた曲とのこと。即興で書かれたにしては、トラッド調のそのメロディは印象的で、ニック・カーショウの才能をうかがわせるに十分だ。小泉今日子が「木枯らしに抱かれて」で、この曲をパクったことはあまりにも有名。

ザ・リドル」のビデオクリップは、タイトルどおりまさに“謎”。「真夏の夜の夢」やアリスの伝統がある国だけあって、こうしたファンタジーを作らせたら抜群! まさに絶品だ。この「ザ・リドル」のビデオクリップだけでも、ニック・カーショウの存在感は“謎”ではない。

Nik Kershaw : The Riddle

 Nik Kershaw : I Won't Let The Sun Go Down On Me
 Nik Kershaw : Wouldn't It Be Good
 Nik Kershaw : Human Racing
 Nik Kershaw : Wide Boy

banner_03

ニック・カーショウ
Nik Kershaw : The Riddle.jpg
ニック・カーショウ / ザ・リドル
Nik Kershaw : The Collection.jpg
ニック・カーショウ / ザ・コレクション(ダウンロード)
ライヴ・エイド・ハイライツ!

posted by 上村龍司 at 20:27| Comment(0) | TrackBack(1) | ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月16日

デュラン・デュラン:ワイルド・ボーイズ

ミルコ・クロコップ、PRIDEで大吉 ミルコ・クロコップの約1年半ぶりの日本のリングは、DREAM旗揚げ戦。対戦相手は公募の末に田村潔司の愛弟子である水野竜也と、ドタバタ劇が展開されて、結果はミルコの秒殺。ミルコファンとしては、ミルコがUFCから逃げてきて、日本でかませ犬とやって勝ってもあまりうれしくないわけで、複雑な心境。日の丸パンツも善意で解釈したいが、何だかなぁ。。。まあ、日本でミルコ見れたからいいかぁ・・・てな感じか。

ミルコということで、ここで取り上げるのはデュラン・デュランDuran Duranの「ワイルド・ボーイズWild Boys)」。ニューロマンティックの旗手、MTVでヒット曲連発というのが、デュラン・デュランのイメージなのだが、正直言ってワシはデュラン・デュランはあまり好きではなかった。カルチャー・クラブにあるリズムの面白さ、曲想の独創性といったものが、デュラン・デュランには感じられないからだ。しかし、ミルコの入場曲ということで「ワイルド・ボーイズ」に接していると、妙な親近感がわいてきてしまうのも事実。

この「ワイルド・ボーイズ」は、全英で初のシングルチャート1位を獲得した「ザ・リフレックス」に続く、1984年のシングルだ。「ワイルド・ボーイズ」自体は、全米・全英ともにシングル第2位だったのだが、まあ大ヒットだったし、何せ金かけてるなぁ、レコード会社力入れてんなぁ・・・てなプロモビデオが印象的。でもデュラン・デュランには思い入れのないワシにとっては、結局のところ、「ワイルド・ボーイズ」はミルコの「ワイルド・ボーイズ」なのであった(笑

Duran Duran : Wild Boys (long version)

 Duran Duran : The Reflex
 Duran Duran : Hungry Like The Wolf
 Duran Duran : Save A Prayer
 Duran Duran : Union Of The Snake
 Duran Duran : New Moon On Monday

banner_03

デュラン・デュラン
デュラン・デュラン / リオ
デュラン・デュラン / セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー
デュラン・デュラン / グレイテスト

posted by 上村龍司 at 01:57| Comment(1) | TrackBack(1) | ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月09日

ハワード・ジョーンズ:ニュー・ソング

Howard Jones : New Songハワード・ジョーンズHoward Jonesの「ニュー・ソングNew Song」はいい歌だ。「ニュー・ソング」がピーター・ガブリエルの「ソルスベリー・ヒルSolsbury Hill」の盗作ではないか、という話が持ち上がったとき、ピーター・ガブリエルが「いい曲じゃないか」と言って、「ニュー・ソング」を認めたため、ハワード・ジョーンズの株が上がったのは結構有名な話。1983年のことだが、著作権ばかり主張する輩はガブリエルくんの太っ腹を見習ってほしいものですな。。。

ハワード・ジョーンズのライブは1人でシンセサイザーを演奏するスタイルであり、当時は斬新なものだった。その後バンド編成になり、日本公演の様子はテレビでも放送されたが、結構楽しく聴いた記憶がある。アルバム『ヒューマンズ・リブ(Humans Lib)』『ドリーム・イントゥ・アクション(Dream Into Action)』、シングル「ホワット・イズ・ラブ(What Is Love?)」「オンリー・ゲット・ベター(Things Can Only Get Better)」「悲しき願い(No One Is To Blame)」などのヒットがあり、今聴いても曲の良さは失われていない。やはりハワード・ジョーンズは“ニュー・ソング”だったのだろう。

Howard Jones : New Song

 Howard Jones : What Is Love?
 Howard Jones : Hide And Seek
 Howard Jones : Like To Get To Know You Well
 Howard Jones : Things Can Only Get Better
 Howard Jones : No One Is To Blame

banner_03

ハワード・ジョーンズ
ハワード・ジョーンズ / かくれんぼ(Humans Lib)
ハワード・ジョーンズ / ドリーム・イントゥ・アクション
ハワード・ジョーンズ / The Best of Howard Jones

posted by 上村龍司 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月17日

カルチャー・クラブ:ポップ化するニューウェイヴ

Culture Club:Colour by NumbersNew Wave #13.Culture Club : Colour by Numbers

ボーイ・ジョージBoy Georgeの奇抜な女装、そのファッションとメイク、そしてソウルフルな歌声とダンス・・・1982年「君は完璧さDo You Really Want to Hurt Me)」を初めて見たときの印象はもっぱらボーイ・ジョージだった。カルチャー・クラブCulture Clubは、ニューウェイヴをポップな方向へと大きく展開させていく。

カルチャー・クラブのブレイクには目を見張るものがある。1982年に「君は完璧さ」(全英1位/全米2位)がヒットすると、続いて「タイム」(全英3位/全米2位)、「アイル・タンブル・4・ヤ!」 (全米9位)がヒット。1983年にセカンド・アルバム『カラー・バイ・ナンバーズColour by Numbers』(全英1位/全米2位)が発表されると、続いて「チャーチ・オブ・ザ・ポイズン・マインド」(全英2位/全米10位)、「カーマは気まぐれ」(全英1位/全米1位)、「ヴィクティムズ」(全英3位)、「ミス・ミー・ブラインド」(全米5位)、「イッツ・ア・ミラクル」(全英4位/全米13位)とヒットを飛ばす。「戦争のうた」(全英2位/全米17位)からは失速していくが、ここまでヒット曲を連続したのは特筆すべきだ。・・・日本語で歌ったから失速した、と思ってしまうのは気のせいか。。。

カルチャー・クラブのヒットにはヴィジュアル面が欠かせないが、それにはMTVの存在が大きかった。YouTubeのリンクを下記に示しておくが、サービス精神旺盛な楽しませる作りはMTVあってこそだ。ボーイ・ジョージは、まさにMTV時代の申し子と言えるだろう。ワシが特にぶっとんだのは「ミス・ミー・ブラインド」。江戸、愛情、甘酒・・・って、おい! 日本かと思ったら、タイとコラボしてムエタイは出てくるし、「めらめらと燃えている」つうのは何なんだ・・・とゲラゲラ笑ってしまうのだが、これも親日家ボーイ・ジョージのサービス精神なのだろう。

カルチャー・クラブはやはりニューウェイヴだ。この時代多くのヒット曲を放って、ニューロマンティックと呼ばれたバンド、デュラン・デュラン、スパンダー・バレエ、カジャグーグー、ユーリズミックスなどと比べると、カルチャー・クラブの楽曲はリズムやコンセプトで格段に秀でている。レゲエ、ダブ、カリプソ、ファンカラティーナから、ソウル、ゴスペル、ファンク、モータウンといった要素をポップに昇華していくカルチャー・クラブの感覚は見事としか言いようがない。カルチャー・クラブのポップさも、レコード会社の思惑に従うものではなく、時代の流れを先読みして作り上げていったもので、ボーイ・ジョージの個性を活かそうとしたジョン・モスの作戦勝ちといったところか。いずれにせよ、カルチャー・クラブが一時期ニューウェイヴの寵児となったことは否定できない。

 Culture Club : Do You Really Want to Hurt Me
 Culture Club : Time (Clock of the Heart)
 Culture Club : I'll Tumble 4 Ya
 Culture Club : Church of the Poison Mind
 Culture Club : Karma Chameleon
 Culture Club : Victims
 Culture Club : Miss Me Blind
 Culture Club : It's a Miracle
 Culture Club : The War Song

banner_03

カルチャー・クラブ
カルチャー・クラブ / カラー・バイ・ナンバーズ
カルチャー・クラブ / ディス・タイム
ベスト・オブ・カルチャー・クラブ

posted by 上村龍司 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ニューウェイヴ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月01日

イエロー・マジック・オーケストラ(YMO):テクノポップの台頭

YMO : Solid State SurvivorNew Wave #12.Yellow Magic Orchestra : Solid State Survivor

テクノポップはニューウェイヴとワシは思っていないのだが、この時期の音楽としては無視できないので取り上げてみる。ということでYMO

イエロー・マジック・オーケストラYMOの登場は、ある種衝撃的だった。1978年のデビュー・アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』はともかく、79年のセカンド・アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の赤い人民服とテクノカットには驚いた。そして、シンセサイザーやコンピュータを駆使した音楽、シンセサイザーの自動演奏、ヘッドフォンでクリック音を聞きながら演奏するライブ、聴衆に対して媚を売ることなく黙々と楽器と向かい合う無表情な演奏・・・。かと言って決してサウンドは無機質ではなく、メロディは秀逸でポップだし、かなり計算されて作られていることが伝わってきた。

しかし考えてみると、ライブにシンセサイザーを持ち込むのはキース・エマーソンが最初だし、自動演奏もクラフトワークがやってたことだし、アルバム『BGM』で登場するゲートエコーピーター・ガブリエルが最初だし、厳密に言えば決して“オリジナル”とは言えない。それでもYMOの存在感が否定できないのは、テクノロジーをうまくポップに昇華したからだろう。まさに改良上手な日本人! 最新テクノロジーの国日本のイメージも、YMOの国際的知名度を上げるのに貢献したことだろう。でも結局のところ、細野晴臣のエスニック・神秘主義、坂本龍一のクラシック、高橋幸宏のファッションセンスなどが融合しなかったら、YMOの化学反応は起こり得なかったのだと思う。

テクノポップの台頭と共に、この時期象徴的だった2つの曲に触れてみる。まずは1979年、バグルスの「ラジオ・スターの悲劇Video Killed The Radio Star)」だ。バグルスのこの曲が注目されたのは、きっちりと計算された音作りにあるというより、その歌詞だろう。ビデオクリップが中心になってくる時代を見越して、ラジオスターについて歌ったのは非常にタイムリーだった。1981年8月1日12時15分、MTVがアメリカで開局するが、MTVが最初にオンエアしたミュージックビデオが、この「ラジオ・スターの悲劇」だったという話。

もう1曲は、同じ1979年にヒットした、Mロビン・スコットの「ポップ・ミューヂックPop Muzik)」。ポップ化し、商業主義にまみれた音楽を皮肉ったものだ。テクノポップの曲としては、初めての大ヒットになった曲だが、この曲自体がテクノポップに対する皮肉となっていることも事実。Mは完全に一発屋なわけだが、この「ポップ・ミューヂック」1曲だけでも、その存在感は否定できない。ポップ化と商業主義のバランスは、確かに難しいものがあるのだろう。

 YMO : Rydeen (Live 1979)
 YMO : 東風(TONG POO) (Live 1979)
  YMO : Technopolis (Live 1980)
 Kraftwerk : The Robots
 The Buggles : Video Killed The Radio Star
 M : Pop Muzik

banner_03

イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)
YMO / ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー
YMO / 増殖
YMO / UC [Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra]

posted by 上村龍司 at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ニューウェイヴ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月15日

マイク・オールドフィールド:チューブラー・ベルズからインカンテイションズ

マイク・オールドフィールド:チューブラー・ベルズマイク・オールドフィールドについては、思い入れの強さからかなかなか筆が進まなかったが、『チューブラー・ベルズTubular Bells』から『インカンテイションズIncantations』の初期4部作について書いてみようと思った次第。

1973年にヴァージン・レコード第1弾として発売されたマイク・オールドフィールドの『チューブラー・ベルズ』は、まさに衝撃的だった。若干19歳のマルチプレーヤーが、十数種類もの楽器を一人で録音し、デジタル機器もない時代に2300回に及ぶオーバーダビングを繰り返して1年余りかけて完成させた作品。7/8拍子、8/8拍子で奏でられる印象的なイントロは、ウィリアム・フリードキン監督が「今最も新しい音楽だ」として、映画『エクソシスト』のテーマ曲に使用された。それがまた『チューブラー・ベルズ』の知名度を高めることになり、結局全世界で1700万枚も売れる超ベストセラーアルバムとなった。

チューブラー・ベルズ』のジャケット・デザインも印象的だった。トライアングルのように、ぐにゃりと曲がったチューブラーベル・・・これは何だ!と最初思った。とても楽器には見えなかったのだ。その後、「ポップス・イン・ピクチャー」で「チューブラー・ベルズ」のライブが放送されたとき、チューブラー・ベルズが実はNHKのど自慢のキンコンカンの鐘だったことに気づいて愕然としたことを思い出す(笑

超完璧主義者のマイク・オールドフィールドは、1992年から『チューブラー・ベルズ』を何度も作り直すことになるが、今回はそこには立ち入らない。いずれにせよ、『チューブラー・ベルズ』がプログレッシブ・ロックの新たな地平を開いたことは間違いない。

『チューブラー・ベルズ』が好きだという友達に聞くと、決まって聞かれるのが「パート1よりパート2の方が好きだ」という意見。ワシもそうなのだが、特に「Peace」と「Bagpipe Guitars」のところがいい。このあとのアルバムのモチーフにつながっていくということで、マイク・オールドフィールドにとって重要な曲となっている「チューブラー・ベルズ(パート2)」の「セイラーズ・ホーンパイプThe Sailor's Hornpipe)」をちょっとここで。

 ♪「The Sailor's Hornpipe」を聴いてみる。

チューブラー・ベルズ』から約1年後、1974年に発表された『ハージェスト・リッジHergest Ridge』は、フォーク、トラッド、ケルト音楽などを取り入れ、牧歌的空間を創り出している。ストリングスを取り入れるなど、音楽的な試みはいろいろと見られるものの、いろんなメロディーがコラージュ然としている『チューブラー・ベルズ』と比べると、平板で作り込み不足の印象は否めない。しかし音楽としてはいいし、"作り込み不足" と言っても他のアーティストから見れば驚異的なのだが、『チューブラー・ベルズ』と比較されてしまうのが悲しいところだ。

そして1975年に発表された『オマドーンOmmadawn』、“胎内回帰”をテーマとするまさに傑作アルバムだ。「胎内回帰をテーマ」というのは、ワシの感覚にすぎないのだが、「胎内回帰」ほどこの『オマドーン』を表す言葉もないと思う。懐かしい過去にいざなうトラッドの音色。原初の子守歌のように響く女性ヴォーカル。挿入されるアフリカン・ドラムは、まさに母胎の鼓動だ。そしてイギリス民謡「オン・ホースバックOn Horseback)」での子供の歌声。心地よい揺りかごにゆられていく印象がある。

オマドーン』の構成は『チューブラー・ベルズ』に近いが、コラージュ然としている『チューブラー・ベルズ』と比較すると、『オマドーン』はかなり完成された印象を持つ。音楽的にも、当時珍しかったアフリカンドラムを導入したり、チーフタンズのパディ・モローニによるイーリアン・パイプが加わったりと、かなり意欲的だ。そして見落とすことができないのは、サリー・オールドフィールドらによる女性ヴォーカル。やはり女性ヴォーカルがマイク・オールドフィールドのキーポイントなのだ。

『オマドーン』から3年、1978年に発表された『インカンテイションズ呪文)』――それはまさに「プログレ交響曲」とも言うべき傑作アルバムだ。この『インカンテイションズ』は、オーケストラと合唱団を担当したデビッド・ベッドフォードの協力が欠かせないが、マイク・オールドフィールドがじっくりと作り込んだ芳醇な香りに満たされている。そして注目すべきは、前面にフィーチャーされたマディ・プライアーをメインとする女性ヴォーカルだろう。女性ヴォーカルの色合いが、ケルトの森の奥から深海の叙情をたたえて響いてくる。この『インカンテイションズ』こそ、まさに初期マイク・オールドフィールドの「終着の浜辺」と言える。

 Mike Oldfield : Tubular Bells (Live 1973) 1
 Mike Oldfield : Tubular Bells (Live 1973) 2
 Mike Oldfield : Tubular Bells (Live 1973) 3
 Mike Oldfield : The Sailor's Hornpipe (Montreux 1981)
 Mike Oldfield : Ommadawn (Montreux 1981) 1
 Mike Oldfield : Ommadawn (Montreux 1981) 2
 Mike Oldfield : Ommadawn (Montreux 1981) 3
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 1
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 2
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 3
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 4
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 5
 Mike Oldfield : Incantations (Exposed Tour 1979) 6

banner_03

マイク・オールドフィールド
マイク・オールドフィールド / チューブラー・ベルズ [SACD Hybrid]
マイク・オールドフィールド / オマドーン
マイク・オールドフィールド / インカンテイションズ

posted by 上村龍司 at 01:31| Comment(0) | TrackBack(2) | プログレッシブ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月31日

プログレッシブ・ロック好きのためのベートーヴェン第九「合唱」入門

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン大晦日である。大晦日と言えば第九である。第九というのは、言うまでもなくベートーヴェン交響曲第9番ニ短調作品125「合唱(Choral)」のことである。

タイトルに『ベートーヴェン第九「合唱」入門』などと偉そうなことを言ってしまったが、今回の企画は、プログレッシブ・ロック好きな人が好きそうな第九の3つのパートを取り上げて、音楽鑑賞してみようというだけなのだ。・・・てなことで、気楽にお付き合い願いたい。

プログレッシブ・ロックがここで出てくるのは、別に奇妙なことではない。第九こそ、当時最も斬新でプログレッシブな交響曲だったのだから。まず、交響曲に声楽が使用されたのが珍しく、真に効果的に声楽が使用されたのは初めてと言える。そして、大規模な編成や1時間を超える長大な演奏時間においては、それまでの交響曲でほとんど使用されなかった打楽器(シンバルやトライアングルなど)の使用、ドイツ・ロマン派の萌芽を思わせる瞑想的で長大な緩徐楽章(第3楽章)の存在、そして独唱や混声合唱の導入など、ベートーヴェン自身のものも含むそれ以前の交響曲の常識を打ち破った大胆な要素を多く有している。

この第九こそ、まさに“プログレッシブ・シンフォニー”であって、古典派の以前のあらゆる音楽の集大成とも言えるような総合性を備えている。同時に、来るべきロマン派音楽の時代の道しるべとなった記念碑的な大作なのだ。――などと、音楽の教科書のような記述はここまでとして(笑)、曲に入ろう。音源は、1987年12月、ベルナルト・ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏のベートーヴェン第九を用いた(これは本当に名盤だと思う)。

まずは第2楽章の冒頭からである。

 ♪「ベートーヴェン第九第2楽章」を聴いてみる。

弦楽器の間にたたき込まれるティンパニで始まるこの第2楽章は、フーガのようにテーマが絡み合う提示部へと移行する。3/4拍子のスケルツォで奏でられる弦楽器の旋律は抜群で、そのアクセントが際立つ。そして、展開部ではティンパニが活躍し、木管楽器と弦楽器の掛け合いがあり、盛り上がりを見せる。プログレ好きなら、おっ!と思うところだろう。

次は第4楽章の冒頭部分である。

 ♪「ベートーヴェン第九第4楽章 その1」を聴いてみる。

管楽器が悲劇的な旋律を奏でるが、チェロとコントラバスの低弦がそれを否定する。続いて、第1楽章、第2楽章、第3楽章が奏でられるが、次々と低弦に否定される。この進行は、まるで演劇でも見ているように“言語的”だ。そして、低弦が「歓喜の歌Ode to Joy)」を奏で始め、ヴィオラ、ファゴット、ヴァイオリンと、歓喜の主題が広がっていく。最後に管楽器に旋律が渡され、全管弦楽で歓喜の主題が輝かしく歌い上げられる。この主題の提示の仕方は、まさにベートーヴェンだと思うわけだが、これを“プログレしてる”と見てしまうのはワシだけだろうか。

そしてもう一つ。第九第4楽章の最も有名なところである。

 ♪「ベートーヴェン第九第4楽章 その2」を聴いてみる。

まずは行進曲が始まり、どうしても『時計じかけのオレンジ』を思い出してしまう(笑)テノール独唱へと続く。そして純粋な管弦楽のみによる演奏へと続くが、この旋律の妙! この旋律はまさにプログレだ。その後静かになり、長調→短調と管弦が鳴ってから、「歓喜の歌」が高らかに歌い上げられるが、まさに歓喜だ。

この「第九の合唱」は世界で最も有名なメロディーだと思うが、有名なのは有名なりに意味がある。それは、第九が神の栄光を顕した最もプログレッシブな交響曲だったからではないだろうか。第九こそ、まさに“プログレッシブ・シンフォニー”!――思わず、そう呼んでしまうワシなのであった。

 Beethoven Symphony No.9 : Bernstein 1989 (part 1)
 Beethoven Symphony No.9 : Bernstein 1989 (part 2)
 Beethoven Symphony No.9 : Bernstein 1989 (part 3)
 Beethoven Symphony No.9 : Bernstein 1989 (part 4)

banner_03

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
フルトヴェングラー1951 ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》
カラヤン普門館ライヴ1979 ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》
ハイティンク1987 ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》

posted by 上村龍司 at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月24日

1984年三つのライブ:ブラック・ウフル、スティール・パルス、キング・サニー・アデ

Black Uhuru : Tear It Up LiveNew Wave #11.Black Uhuru, Steel Pulse, King Sunny Ade

ブラック・ウフルの初来日は1984年7月。「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」での来日で、よみうりランドのオープンシアターEASTでライブを見た。真夏の暑い日射しが降り注ぐなか、ワシはその芝生の自由席にいた。

ブラック・ウフルと言えば、マイケル・ローズ、ダッキー・シンプソン、ピューマ・ジョーンズのボーカル・トリオに、“レゲエ・タクシー”たるスライ・アンド・ロビーのリズム隊。まずはスラロビ。真夏の暑い中で、ワシらを心地よく乗せてくれた。リズムのノリはもちろん最高なのだが、長いスティックを振り回してシンバルを叩くスライ・ダンバーと、マシンガンを持つようにベースを奏でるロビー・シェイクスピアの姿は、ヴィジュアル的にも魅せるものだった。

このときはアルバム『アンセム』が発売され、「ソリダリティ」がヒットするなど、ブラック・ウフルまさにノリノリの時期だった。ライブもノリノリなわけだが、そこで目立ったのはやはりマイケル・ローズだった。マイケル・ローズの声が、真夏の空に伸びやかにこだまするのを聴いていると、ブラック・ウフルはマイケル・ローズなしにはあり得ないと思ったものだった。ラスタのお兄ちゃんがぴょんぴょん跳ねてた、勝手気ままな芝生席で、気持ちよく乗らせてくれたブラック・ウフルだったのだ。

Steel Pulse : Earth Crisisスティール・パルスはブラック・ウフルと対照的で、その来日は1984年1月。雪の降る寒い日だった。実は酔っぱらっていて記憶がはなはだあいまい・・・(汗)、場所はネットで書かれていた渋谷公会堂や日本青年館ではなく、赤坂のニューラテンクォーターだった気がするワシなのだが、はなはだ自信がない・・・

とにかく覚えているのは、気持ちよくノリノリで踊りまくったことと、デヴィッド・ハインズのあの頭!だ。しかし、デヴィッド・ハインズがそのとき帽子をかぶっていたかどうかもあいまいで・・・「やはり人前でラスタの姿は見せないのだな」と思ったようなので、帽子をかぶっていた可能性が高い。友達と気持ちよく酒飲んで踊っていたので、申し訳ないが、これはまるでレポートにならない。ただ「おお〜っ!」とか「最高!」などと、酔っぱらって叫んでいたことは事実なのだ(笑

調べてみると、スティール・パルスはアルバム『アース・クライシス』の発売前に、『ロッキン・オン』が招聘して来日したそうだ。『アース・クライシス』と言えば、ジャケットに描かれていたアンドロポフが発売1カ月もしないうちに亡くなるという、いわくつきのアルバムだった。

King Sunny Ade : Synchro Systemそして1984年10月に、とんでもない台風が上陸した。キング・サニー・アデ&ヒズ・アフリカン・ビーツ。場所は代々木第一体育館。仕事帰りにわくわくして、足を運んだものだ。

まさにジュジュ・ミュージックの迫力。トーキング・ドラムをはじめとする多くのドラム、パーカッションが刻むリズムのうねりに乗って、キング・サニー・アデの歌声が響く。超弩級のノリで踊りっぱなしで乗せられた。アルバム『シンクロ・システム』にある数分の曲が、どれも10分を超える長さになるのには正直驚いたが、これは元々長い曲をアルバムでは縮めているという話。そのすさまじいノリに、当然アンコールとなる。

そして、このアンコールがなんと1時間にも及んだ。このころになると、「おいおい、いつまでやるんだよ・・・」と苦笑い、こっちの体力が続かない。「やっぱ仕事帰りはきついよな・・・」とか思うが、全く下手な言い訳をしているようなのだ(笑)。とにかくキング・サニー・アデはすごかった。

1984年にスティール・パルスブラック・ウフルキング・サニー・アデと、レゲエ、アフロの代表的ミュージシャンが集中して来日したのは偶然なのかもしれないが、ワールド・ミュージックの関心が高まり、『ミュージック・マガジン』を読むことが当たり前の当時としては違和感のないものだった。結局のところ、言葉では表現しづらいので、YouTubeのビデオを観てほしいと思ってしまうワシであったのだ。

 Black Uhuru : Shine Eye Gal 〜 Plastic Smile
 Black Uhuru : General Penitentiary 〜 Guess Who's Coming To Dinner
 Black Uhuru : I Love King Selassie
 Black Uhuru : Solidarity
 Steel Pulse : Handsworth Revolution
 Steel Pulse : Ku Klux Klan
 Steel Pulse : Sound System
 King Sunny Ade : Synchro System
 King Sunny Ade : Maajo 〜 Penkele

banner_03

ブラック・ウフル、スティール・パルス、キング・サニー・アデ
アイランド・レゲエ・クラシックス / ブラック・ウフル
アイランド・レゲエ・クラシックス / スティール・パルス
キング・サニー・アデ / オドゥ〜

posted by 上村龍司 at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | レゲエ・アフロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月11日

レッド・ツェッペリン:カシミール、そしてジミー・ペイジのオープン・チューニング

Led Zeppelin レッド・ツェッペリンのブートレッグの中で、一番カッコいいナンバーは「ホワイト・サマー」「ブラック・マウンテン・サイド」から「カシミール」に入る演奏だった。特に「カシミール」に入るところは、おお〜っ!てな感じだった。ブートレッグのタイトルははっきりと覚えていないが、これが1977年のUSツアー以降のものであることは間違いない。

ジミー・ペイジオープン・チューニング(変則チューニングともいわれる)をワシが初めて知ったのは「ホワイト・サマー」だったが、このライブによって「カシミール」も「ホワイト・サマー」と同じオープン・チューニングであったことを知った。いわゆる "DADGADチューニング" というやつだ。それでちょっと、ジミー・ペイジのオープン・チューニングについてまとめてみた。

●DADGAD チューニング
ホワイト・サマー、ブラック・マウンテン・サイド、カシミール
●オープンG(DGDGBD)チューニング
ザッツ・ザ・ウェイ、ブラック・カントリー・ウーマン、トラベリング・リバーサイド・ブルース
●DADGBD チューニング
カリフォルニア
●オープンC6(CACGCE)チューニング
フレンズ、ブロン・イ・アー、プア・トム
●オープンC(CGCEGC)チューニング
ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー
●DGCGCD チューニング
レイン・ソング
●CFCFAF チューニング
スノウドニアの小屋
●EACFAC チューニング
レヴィー・ブレイク

ちなみに「カシミール」の歌詞は、ロバート・プラントがモロッコ南部のサハラ砂漠をドライブしていたときに書かれたもので、「見失った故郷を求めての放浪」をテーマにしており、現実のカシミールがイメージの源泉になったわけではない。後に、ロバート・プラントは「カシミール」を "The Pride of Led Zeppelin" (レッド・ツェッペリンの誇り)と呼んでいる。

レッド・ツェッペリン関連記事

#07年12月10日のレッド・ツェッペリン再結成コンサートは、予想どおり大盛況だったようです。レッド・ツェッペリンは今後も活動を継続するような話も出ていますが、さてどうなりますことやら。

 Led Zeppelin : White Summer / Black moutain Side 1
 Led Zeppelin : White Summer / Black moutain Side 2
 Led Zeppelin : Kashmir
 Led Zeppelin : Ten Years Gone

banner_03

レッド・ツェッペリン
レッド・ツェッペリン / フィジカル・グラフィティ
レッド・ツェッペリン / マザーシップ(DVD付き)
レッド・ツェッペリン / DVD

posted by 上村龍司 at 18:22| Comment(0) | TrackBack(1) | ハードロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする